7月31日(火) 第11日 槍ヶ岳・南岳
6:30 風が強いが暇なのでカッパを着込んで再び穂先へ上がる。昨日とちがって今朝はスカッと晴れている。立山、薬師岳、黒部五郎とこれまで歩いてきた山が全部見える。
即席の山ガイド役をひと通りやって小屋前に戻り、コーヒーを沸かして小休憩。
9:10 槍ヶ岳山荘を出発。
9:40 大喰岳
10:50 中岳
年配の夫婦と前後しながら歩く。自分たちの写真が撮りたそうなので、カメラを預かって後方から2人で歩いているところを撮ってあげた。途中カメラ撮影のおにいさんから雪渓の下に水場があるのを教えてもらう。
11:10 中岳下の雪渓で休憩。シャツを水洗いして岩の上に広げるとすぐに乾いた。ラーメンで昼食。南岳小屋では水は貴重なはずなのでたっぷり給水していく。
14:00 南岳小屋到着。一息入れます。
初めての大キレット越え、明日の予習のため様子を見に行きました。
8月1日(水) 第12日 大キレット・北穂高岳
4:50 浅間山から昇る朝日に、無事に大キレットを越えられるますようにと祈る。
5:45 南岳小屋を出発。いよいよ大キレットへ。
下りはザレザレの道だと聞いてはいたが、想像を絶するザレ具合。足を置く石、手でさわる石がすべてずるずるとすべっていく。とうとう、ひと抱えほどある石を落石させてしまった。ラークッ!!と叫んで、神様仏様どうぞ人にあたりませんようにと真剣に祈る。「無理。もうよそう、槍沢から降りて帰ろう」と思ったとき、5メートルほど上を後続者がトラバース気味に歩いていった。どうやらマーキングを見落として涸れた沢の中に突入してしまっていたらしい。命からがら(誇張ではない)登山道にもどると、昨日のご夫婦にちょうど会うことができた。「戻ることができる程度で済んでよかったねぇ」とお母さんに慰めてもらって、精神的ダメージが少し和らぐ。登山道はトラバースして行っているのでさっきの落石は問題なかったようである。人殺しにならなくて済んだと心底安堵する。
ご夫妻と一緒に大キレット底部に向かう。恐いといわれているハシゴはどうということもなく、やがて長谷川ピークを越える。後で写真を見るとトンでもない場所であるが、本人は自分の手元足元をみているのでさほど恐怖感はない。飛騨泣きらしき場所も無事に通過。北穂高小屋直下は落石に注意しながらこなした。結局のところ、キレットで恐いのはクサリでもハシゴでも高度感でもなく、ミスコースが一番恐かった。
9:50 北穂高山荘の売店でカップラーメンを頼もうか迷っていると、ちょうどレストランが営業開始。念願のラーメンを頼む。
ご夫婦は南岳小屋の弁当を食べながらしきりとラーメンがうまそうだという。お互いに撮りあった写真を交換するためにお母さんに住所を教えてもらう。記念のためと、帰路に着るために売店でTシャツを買った。
10:45 北穂高山頂。
北穂~奥穂の間もハンパないルートである。うんざりするほどクサリが出てくる。しかし大キレットに比べれば人が多いのであろう。浮石が少なく、一見厳しそうに見える壁でも登っていて安定感があり恐くない。
15:00前 涸沢岳で休憩した後、奥穂高山荘に到着して受付を済ませる。若い女性が2人いたのでどちらが若おかみのメグちゃんなのかよくわからない。たぶん赤いフリースのベストを着ていたほうだと思う。本人に聞けばいいのだが、それはオジサンがしてはイケナイことのような気がしたのでやめた。
あしたはこれ。
8月2日(木) 第13日 奥穂高岳・前穂高岳
5:45 今日もお父さん、お母さんと一緒に出発。人が多いので落石を起こさないように細心の注意が必要。
去年のゴールデンウイーク、涸沢小屋の谷さんにガイドしてもらった直登ルンゼ。
奥穂山頂に到着。人ごみのなかで記念撮影をする。ここから吊尾根へ。
8:15 紀美子平にザックを置いて前穂ピークにピストン。降り際には東斜面がガスっていた。景色が見えるぎりぎりのタイミングだったようだ。槍は雲の中。
9:40 紀美子平に戻って奥穂高山荘の弁当をたべようとするとお父さんお母さんは今日は弁当を頼んでないと言う。私の、昨日の北穂小屋のラーメンがうらやましかったので今日は岳沢小屋でラーメンを食べるのだという。さっさと弁当を片付けて重太郎新道へ。重太郎新道はツルツルのスラブが連続、クサリが次々に現れる。ここを上がる人の体力はスゴイと思う。
12:30 岳沢ヒュッテに到着。ラーメンはなかったのでお父さんお母さんはうどんを食べたらしい。13日間持ち歩いたコーヒーが残っていたので2人に入れてあげた。
15:00 上高地着。河童橋で記念撮影をし、2人にお礼を言って別れた。
小梨平キャンプ場で入浴して16:00のバスに乗車。松本駅で登山後の定番、天ザルを食べて、今日は電車なので生ビールも付けた。特急しなのに乗り込む。新幹線を経由して新大阪に11時前に帰着。
(おわり)
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